お役立ちコラム

深夜業務に従事する従業員の健康診断とは?

所定労働時間は深夜時間にかかることはないのですが、システム障害などで、まれに深夜時間に勤務する従業員がいます。この場合、深夜業にかかる者として、半年に一度の健康診断を受診させなければならないですか?

労働安全衛生法では、深夜業を含む業務に常時従事させようとする労働者を雇い入れる際、又は深夜業への配置替えを行う際及び6月以内ごとに1回、定期に、医師による健康診断を行わなければならないと定めています。(労働安全衛生法第66条、第66条の3)

また、実施した健康診断の結果、当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された場合には、医師の意見を勘案し、必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、深夜以外の時間帯における就業への転換、作業の転換、労働時間の短縮等の措置を講じなければならないとされています。

労働安全衛生法同条では、所定労働時間の一部でも午後10時から午前5時までの時間帯にかかる場合は「深夜業務」があるとし、上記の6ヶ月以内ごとに1回の健康診断の実施を義務付けています。

労働安全衛生法において「常時従事する」という点について明確な基準は設けられていませんが、深夜時間帯に労働する可能性がない従業員の突発的な勤務に関しては「6ヶ月以内ごとに1回の健康診断」は実施する必要がないとされています。

しかしながら、深夜残業が実態として頻繁にある労働者については、この健康診断の対象となるので、留意が必要です。また、所定労働時間が深夜時間にかからない労働者の場合であっても、過去6ヶ月間に24回以上の深夜労働があった場合は、(常時使用する労働者に対し実施することとされている)年1回の定期健康診断とは別に、個別に健康診断を実施する必要があります。

関連コラム

障害者の法定雇用率 段階的な引き上げ決定
障害者の法定雇用率が段階的に引き上げられます。(令和6年4月以降)目次障害者の法定雇用率の段階的引き上げ常用雇用労働者、障害者のカウント方法除外率の引き下げ障害者雇用のための事業主支援1.障害者の法定雇用率の段階的引き上げ民間企業の法定雇用…
4月1日から中小企業も月60時間超残業の割増賃金率が50%になります!
長時間労働の抑制のため、大企業は月60時間超の残業代割増率が引き上げられていました。中小企業に対しては適用が猶予されていましたが、2023年4月からは中小企業にも適用されることになります。つまり、中小企業でも月60時間超の残業に対しては25…
ハラスメント対策について
ハラスメント対策はお済みですか?ハラスメント対策が事業主の責務とされており、法令上の対応が求められているところです。具体的にどの様な対策が求められているか、ポイントを解説します!目次 1.ハラスメント対策がなぜ重要なのか? 2.法的位置づけ…
治療と仕事の両立支援を考えましょう
【会社が治療と仕事の両立支援を行う意義】「治療と仕事の両立支援」とは、病気を抱えながらも働く意欲・能力のある労働者が、仕事を理由として治療機会を逃すことなく、また、治療の必要性を理由として職業生活の継続を妨げられることなく、適切な治療を受け…
求人を出す際に要注意!職業安定法が改正されました
 令和4年10月1日に改正職業安定法が施行され、労働者の募集を行う際のルールが変わります。改正により、「求人等に関する情報の的確な表示」および「求職者の個人情報を収集する際の業務の目的の明示および業務の目的の達成に必要は範囲内での収集・使用…

当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。